前に職場で見たという人がいたので、どんな映画か気になっていました。
この手の映画はレンタルショップに置かれるとは限りませんし、ものは試しにと観賞してきました。
しかしね。。。
一緒に行った家内は思いっきりつまらなそうでした。
まあ、しょうがないんですけど。
職場の人の歯切れの悪さにも納得。
パンフレットにはこう書いてあります。
『精神』にはいわゆる「言いたいこと=メッセージ」も、明確な結論もない。むしろ、映画を単純なメッセージに還元するプロパガンダ的な姿勢から、最も遠いところで作品を作ることを目指した。しかしその割には、ある政党(野党)のポスターを見せるシーンがあります。
途中までは障害者自立支援法の兼ね合いで、政府批判が出るのはしょうがないと思って見ていました。
しかしそういう政府批判のシーンを採用している時点で、製作者のプロパガンダが入り込んでいると言えます。
素人の自主制作ではないのですから、政府批判のシーンを入れたり、政党のポスターを表示させたりする事が、観客にどのようなメッセージになるのか、知らないで済む事ではありません。
登場した方々の心情として、障害者自立支援法への不安・不満が出てくる事は理解できます。
しかし、野党のポスターを表示させて追い討ちをかけているのは、製作者の特定の思想(プロパガンダ)が感じられます。
繰り返しますが、素人が適当に作ったものとは違うのですから。
政府批判のシーンで胡散臭さを抱きつつ見ていたら、今度は政党のポスターですから、精神疾患を抱えた方々を政治的に利用した映画とも言えます。
また他の観点からも、もうちょっと編集の仕方はなかったのかと疑問が残ります。
リアリティを出したかったのかも知れませんが、間延びして退屈に感じるシーンがいくつもあり、私からすれば単なる編集の失敗です。
まあ、精神疾患の方々の生の様子を描き出したという点では評価できます。
既に現場を知っている人には目新しいものはないでしょうが、そういうご家族や知人がいたり、そういう職場を考えている人には、心の準備として良いかも知れません。
あと山本医師が診察中、患者に死生観を選ばせるシーンが印象的でした。