スキナーという心理学者が面白い発見をしています。
このスキナーは学習理論について様々な実験をしています。
たとえばハトが入っているカゴに装置を取り付け、ボタンを押せばエサが出るようにします。
するとハトは徐々にボタンを押せばエサが出ることを覚えていきます。
ある行動(ボタンを押す)が、ある結果(餌が出てくる)を導くと学習するわけです。
ではボタンに関係なくランダムなタイミングでエサを出した場合、ハトはどうなるでしょうか?
ハトにしてみれば、何もせずとも時間が経てばエサがもらえる状況です。
寝て待っていても構わないわけです。
しかしこの場合、ハトは同じような行動を繰り返すようになります。
その行動はハトによって異なりますが、一定の動作を繰り返すことではどのハトも同様です。
これはハトが“迷信”を持ったことが原因です。
ある行動をしているタイミングでエサが出てきたため、その行動によってエサが現れたのだと錯覚したのです。
そして同じ行動を繰り返しているのですから、次にエサが出てきた時にもその行動をしていることになります。
そのため、その行動によってエサが出てきたという錯覚はさらに強化されていきます。
ハトの行動と餌の出現には本来、因果関係はありません。
しかしハトは迷信を持つことにより、そこに因果関係があると思い込んでしまうのです。これは三た論法での錯覚と同じものです。
時間的な前後関係はあったとしても、ある原因がある結果を導いたという因果関係だとは言えません。
そして最近の話題であるホメオパシーについても、この錯覚に陥って人が多いように感じています。
あくまで、前後関係と因果関係は異なるものです。
これを理解できるところに、ハトと人間の違いがあります。
少なくとも今これを読んでいる人は、迷信行動の愚かさを学んだはずです。
それでもまだホメオパシーの錯覚に納得できない人は、こちらにまとめを書いているので参考にしてください。
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