なんとも製薬会社の陰謀とでも言いたげなタイトルですが。。。
患者急増との関係が指摘されているのが、新規抗うつ薬「SSRI」だ。年間販売高が170億円台だった抗うつ薬市場は、1999年にSSRIが登場してから急伸。2007年には900億円を超えた。 (中略) 海外では、軽症には薬物療法ではなく、カウンセリングや運動などを最初に勧める治療指針も多い。 |
そういえば前に、
うつを血液から診断する研究がありました。
体内の生理学的な問題だけなら、それを改善する投薬なりの治療で良いのでしょうが、そこに心因性の原因があるのだとしたら、それを投薬だけで改善させるようというのは的外れになります。
まあ心因性だからといってそれをカウンセリングで直接扱わなくとも、記事にあるように運動などの活動で発散できることもあると思うんですよね。
同様に投薬で気分が改善することで、元々は心因性だった問題を冷静に対処できるようになって症状が軽減することはあると思います。
ただ、うつだととりあえず投薬って流れが固定化しすぎているのかも。
なんかもう、居酒屋での『とりあえずビール』みたいなものでしょうか。
確かに医療側からすると投薬は、カウンセリングやその人にあった運動などを話し合うより短時間で(つまり低コストで)患者をさばけます。
もし患者が自傷行為など問題を起こしたとしても、投薬をしていたら『適切な治療をしていた』と釈明がしやすくなるという側面もありそうです。
患者側からしてもカウンセリングや運動は面倒でしょうから、『薬で治るのなら』ということで投薬が持て囃されるのは当然の流れなのかも知れません。
でもどんな薬にも副作用はありますから、『とりあえずビール』ってノリでは患者にとって有害にもなりえます。
それに心因性が原因だと投薬で症状を抑えている間に自己成長が促されたら良いのですが、それがないなら投薬は対処療法に過ぎません。
それでは同様の状況になった時にまたうつになってしまい、薬物依存になっていくでしょう。
またうつと投薬の問題は、診療報酬の問題でもあります。
カウンセリングなり運動なりを勧めるよりも投薬の方が儲かるし手軽なら、その誘惑に引きづられる医師がいることも仕方のないことです。
まあどんな業界にも良し悪しはあるものですから、結局は利用者である患者の方が賢くなっていくしかないのかな?
そういう意味では今回のようなニュースは、啓蒙活動の一つということで有り難いと思います。